ダイハツ「タント」福祉車両 3種の特徴と選び方を徹底解説

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ダイハツ「タント」には3種類の福祉車両「フレンドシップシリーズ」があります。スローパー・ウェルカムシートリフト・助手席回転シートの違いや特徴、どんな人に向いているのかをわかりやすく解説します。

本記事は、福祉車両専門店「福祉カー.jp」を運営する株式会社 共立自動車のスタッフが執筆・監修しています。
担当スタッフは福祉車輛取扱士の資格を保有しており、日頃から福祉車両の専門家として、販売・整備・ご相談対応などを行っています。現場での豊富な経験と知識をもとに、正確かつ実用的な情報をお届けします。

福祉車両の専門店 福祉カー.jp / 株式会社 共立自動車

目次

ダイハツ「タント」フレンドシップシリーズとは?

ダイハツ「タント」フレンドシップシリーズとは?

ダイハツ「タント」には、高齢者や身体の不自由な方でも乗り降りしやすいように工夫された福祉車両仕様の「フレンドシップシリーズ」が用意されています。軽自動車の中でもタントは、広い室内空間やスライドドアによる乗り降りのしやすさが特徴で、福祉車両のベース車としても人気の高いモデルです。

フレンドシップシリーズでは、利用者の身体状況や使い方に合わせてスローパー・ウェルカムシートリフト・助手席回転シートの3種類がラインナップされています。

福祉車両「フレンドシップシリーズ」の基礎知識

福祉車両「フレンドシップシリーズ」の基礎知識

ダイハツでは、福祉車両のラインナップを「フレンドシップシリーズ」という名称で展開しています。高齢者や身体の不自由な方、また介助する家族が安全かつ便利に車を利用できるよう、乗り降りをサポートする装備が追加された特別仕様車です。

具体的には、車いすのまま乗車できるスロープ仕様や、電動でシートが昇降して乗り降りをサポートしてくれるモデルが用意されており、通院や買い物、家族での外出など日常の移動をサポートしてくれます。軽自動車ベースの福祉車両は、取り回しの良さや維持費の安さから、個人利用でも選ばれることが多いのが特徴です。

ここが違う!通常モデルと福祉車両のポイント

タントのフレンドシップシリーズは、基本的な車の性能は通常モデルと同じですが、乗り降りのしやすさを重視した装備が追加されている点が大きな違いです。

例えば、車いすのまま乗車できるスロープや、シートが回転して乗り降りしやすくなる機能、電動でシートが上下する装備などがあります。こうした機能によって、足腰に不安がある方や介助が必要な方でも、より負担を少なく車を利用することができます。

通常のタント

またタントは、左側にセンターピラー(助手席側ドアと助手席側スライドドア間の柱)がない大きな開口部が特徴のミラクルオープンドアを採用しており、福祉車両としても使いやすい設計になっています。

車いすのまま乗降できる「タント スローパー」

タント スローパー

タント「スローパー」は、車いすを使用している方が車いすのまま乗り降りできる福祉車両です。車両後部からスロープを展開し、車いすのまま車内へ乗り込むことができます。

軽自動車ながら広い室内空間を持つタントをベースにしているため、コンパクトで取り回しがしやすく、個人利用の福祉車両として人気の高いモデルです。通院や買い物、家族での外出など、日常の移動手段として活用しやすいのも特徴です。

タント「スローパー」の特徴と使い方

タント スローパーの特徴

タント スローパーは、車両後部のバックドアを開けると折りたたみ式のスロープを展開できる仕組みになっています。
スロープを下ろすことで、車いすのまま車内へスムーズに乗り込むことができます。

車内には車いすを固定する装置も備わっており、乗車後は車いすをしっかり固定することで安全に移動できます。操作自体はそれほど難しくなく、介助者の方も比較的簡単に利用することが可能です。

タント スローパーの電動ウインチ

また、電動ウインチを備えているので介助者の方も小さな力で車いすの方を乗降車させることができます。軽自動車のため取り回しもしやすく、自宅の駐車場でも扱いやすい福祉車両といえるでしょう。

介護・通院に最適!車いすの方の移動をサポート

タント スローパーの車内

タント「スローパー」は、在宅介護や通院など車いすの方の日常的な移動で特に役立つ福祉車両です。車いす利用者が通常の車に乗る場合、車いすからシートへ移乗する必要がありますが、スローパーであればその必要がありません。

そのため、利用者本人の負担だけでなく、介助者の負担も軽減できるというメリットがあります。また軽自動車サイズのため、狭い道が多い住宅街でも運転しやすく、日常の買い物や外出にも使いやすいのが特徴です。

タント「スローパー」のメリット・デメリット

タント スローパーの後部座席

タント スローパーの大きなメリットは、車いすのまま乗車できることですです。車いすから乗り降りの必要がないため、身体への負担を抑えながら車での移動が可能になります。また、乗降車もスムーズに行えます。また軽自動車ベースのため、普通車の福祉車両に比べて維持費や車両価格が比較的抑えられる点も魅力です。

一方で、後部座席部分に車いすスペースを確保する構造になっているため、通常のタントと比べると後部座席の使い方に制限が出る場合があります。

また、タント「スローパー」の後部座席のシートは車いすの方が乗車時、前方へ折りたたむ構造になっています。そのため、前席のシートスライド範囲が制限されたり車いすの方の前方スペースが狭くなってしまうというデメリットがあります。

タント スローパーの後部座席を取り外した状態

後部座席が不要な場合は、シートを取り外し可能ですが重量があり保管スペースが必要です。

N-BOXスロープと比較した際のデメリット

タント スローパーとNBOX スロープ

タント「スローパー」を同系統の福祉車両、ホンダ「N-BOXスロープ」と比較した場合、下記のようなメリット・デメリットがあります。

  • タント スローパーは2WDのみ設定あり。N-BOXは2WD・4WDそれぞれ設定あり
  • N-BOXは後席シートを足元に収納可能なため、前席シートスライド範囲が広く、車いすの方の前方スペースを広く確保できる。

シートが外へせり出すタント「ウェルカムシートリフト」

タント ウェルカムシート

タント「ウェルカムシートリフト」は、助手席のシートが回転して車外へせり出し、さらに電動で上下することで乗り降りをサポートする福祉車両です。通常の車では、座席に座るときに身体を大きくひねる必要がありますが、ウェルカムシートリフトではシートが外側に出てくるため、無理な姿勢にならずに乗り降りできるのが特徴です。

車いすからシートへ乗り移れる方や、足腰に不安がある方にとって、日常の外出をサポートしてくれる便利な装備といえるでしょう。

タント「ウェルカムシートリフト」の特徴と使い方

タント ウェルカムシートの特徴

タント「ウェルカムシートリフト」は、助手席のドアを開けてシートのボタンやリモコンを操作することで、シートが回転して車外へせり出し、さらに電動で上下する仕組みになっています。

乗車するときは、まずはシートをせり出させて低い位置まで下げます。車いすから移動して、座った後にリモコン操作やシートのボタンででシートを上昇させ、車内へ乗車させることができます。立ち上がる動作や足を高く上げる動作を減らせるため、足腰への負担を抑えながら安全に乗り降りできるのが大きな特徴です。

足腰に不安がある方の乗り降りをサポート

タント ウェルカムシートは乗り降りをサポート

タント「ウェルカムシートリフト」は、車いす利用まではいかないものの、歩行や立ち座りに不安がある方に特に向いている福祉車両です。

例えば次のような方に利用されています。

  • 足腰が弱くなってきた高齢の方
  • 手術後やリハビリ中の方
  • 通院のために車への乗り降りの負担を減らしたい方

シートが低い位置まで下がることで、無理なく座ることができ、家族が介助する場合も体を持ち上げる負担を軽減できるのがメリットです。

タント「ウェルカムシートリフト」のメリット・デメリット

タント「ウェルカムシートリフト」のメリットは、乗り降りの動作をサポートできることです。シートが回転して上下するため、身体を大きく動かさなくても楽に乗車することができます。また通常の座席に近い形で乗れるため、スローパータイプと比べて車内の使い勝手が大きく変わらない点も魅力です。

また、車のシートに着席して移動できるため移動中の負担が車いすのシートよりも少なく、長距離・長時間の移動に向いています

一方で、車いすのまま乗車することはできないため、車いす利用者の場合は車いすからシートへの移動が必要になります。そのため、利用者の身体状況に合わせてタイプを選ぶことが大切です。車いすの方が利用する場合、車いすの方がシートへ乗り移ってから介助者が車いすを車内に乗せる手間も増えます。

ミラクルオープンドアで広々乗車可能

タント ウェルカムシートのドアによる窓口の広さ

タントは、助手席側ドアと助手席側スライドドアの間に柱がない「ミラクルオープンドア」が採用されています。そのため、他車種の助手席リフトアップシート(タントのウェルカムシート)よりも乗り降り時のシートと車体の隙間が広く、様々な身体状態の方が利用できる仕様となっています。

タントのウェルカムシートは、助手席側ドアのみ開けてシートを操作する場合と、スライドドアも開けてシートを操作する場合でシートの移動範囲を選択できます

シンプルで使いやすいタント「助手席回転シート」

タント 助手席回転シート

タント「助手席回転シート」は、助手席のシートが回転してドア側を向くことで、乗り降りをしやすくする福祉車両です。

シートが外側を向くことで、身体を大きくひねることなく座ることができるため、通常の車よりもスムーズに乗車できます。電動昇降機能のあるウェルカムシートリフトと比べると構造がシンプルで、扱いやすい福祉車両として利用されています。

足腰に不安がある方の外出や、日常の移動をサポートする装備といえるでしょう。

タント「助手席回転シート」の特徴と使い方

タント 助手席回転シートの特徴

タント「助手席回転シート」は、助手席のシートを回転させてドアの外側に向けることで、乗り降りをしやすくする仕組みになっています。

乗車するときは、まずシートを回転させて外側を向けた状態で座ります。その後、シートを元の位置へ戻すことで通常の座席として使用できます。なお、電動ではないため操作は手動になります。

また、クレーンで車いすの収納をサポートしてくれる機能もあります。特別な操作は少なく、比較的シンプルな構造のため、初めて福祉車両を利用する方でも扱いやすい装備といえるでしょう。

介助者の腰への負担をサポート

タント 助手席回転シートは腰への負担を軽減

通常の車で乗り降りを介助する場合、身体を抱えるようにサポートする必要があり、介助者の腰に負担がかかることがあります

助手席回転シートでは、シートが外側を向くことで利用者が座りやすくなるため、介助者が無理な姿勢で支える必要が少なくなるのが特徴です。

特に、自力で立ち座りができる方であれば、軽いサポートだけで乗り降りできるケースも多く、家族での外出や通院時の負担軽減につながります。

タント「助手席回転シート」のメリット・デメリット

タント 助手席回転シートのメリット・デメリット

タント「助手席回転シート」のメリットは、シンプルな構造で使いやすいことです。シートを回転させるだけで乗り降りしやすくなるため、操作が分かりやすく日常利用にも向いています。

また、スローパータイプのように車内レイアウトが大きく変わらないため、通常の乗用車に近い感覚で使えるのも魅力です。

一方で、電動昇降機能は備わっていないため、足を大きく上げる動作が難しい方には負担になる場合があります。利用者の身体状況に合わせて選ぶことが大切です。

回転シート + スロープ 仕様車も設定あり

タント 助手席回転シートのスロープ付き

タントには助手席回転シートとスロープ両方が搭載されたモデルもあります。移動距離や利用者に合わせてどちらを利用するか選択したり、車いすの方と足腰が弱くなってきた方を同時にサポートすることができます。

どれが正解?タント福祉車両3種を徹底比較

タント フレンドシップシリーズの比較

ダイハツ「タント」のフレンドシップシリーズには、スローパー・ウェルカムシートリフト・助手席回転シートの3種類があります。それぞれ乗り降りの方法や向いている利用者が異なるため、身体状況や使用目的に合わせて選ぶことが大切です。

例えば、車いすを使用している場合はスローパータイプ、足腰に不安がある方にはウェルカムシートリフトや助手席回転シートが選ばれることが多いです。

ここでは、3種類の特徴や違いを比較しながら、それぞれのタイプがどんな方に向いているのかを分かりやすく解説します。

【比較表】スローパー・リフト・回転シートの違い

タント フレンドシップシリーズそれぞれの特徴

タントの福祉車両は、乗り降りのサポート方法によって特徴が大きく異なります。それぞれの違いを比較表で見てみましょう。

タイプ特徴向いている方
スローパー後部スロープから車いすのまま乗り降りできる車いす利用者。車いすからシートへの乗り換えが難しい方。
ウェルカムシートリフトシートが外へせり出して電動で上下する足腰に不安がある方。長時間移動する方。車いすから乗り換えできる方。
助手席回転シートシートが回転して乗り降りしやすい軽い介助で乗り降りできる方。自力で立ち上がる・歩行ができる方。長時間移動する方。

このように、同じタントでも福祉装備によって使い方は大きく変わります。利用者の身体状況や介助の方法に合わせて選ぶことが、快適に車を使うポイントです。

後悔しないために!購入前のチェックポイント

福祉車両は通常の車とは装備が異なるため、購入前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。

まず大切なのは、実際に乗り降りを試してみることです。カタログだけでは分からない部分も多いため、試乗して使い勝手を確認することをおすすめします。

また、次のような点もチェックしておきましょう。

  • 利用者の身体状況に合っているか
  • 介助者の方が無理なくサポートできるか
  • 普段の駐車スペースでスロープやシートが使えるか
  • 将来的な身体状況の変化に対応できるか

福祉車両は長く使うことが多いため、現在の状況だけでなく将来的な使い方も考えて選ぶことが重要です。

賢く選ぶ!購入時の注意点とお役立ち情報

タント フレンドシップシリーズのお役立ち情報

福祉車両を購入するときは、車種や装備だけでなく購入方法や費用面も考えておくことが大切です。新車と中古車のどちらを選ぶかによって、価格や装備の選択肢が大きく変わることがあります。

また、福祉車両には補助金や税金の減免制度が利用できる場合もあり、上手に活用することで購入費用を抑えることも可能です。ここでは、福祉車両を検討する際に知っておきたい購入時のポイントや制度について解説します。

新車 vs 中古車、どちらを選ぶのが正解?

福祉車両を購入する際、多くの方が迷うのが新車と中古車のどちらを選ぶかという点です。

新車のメリットは、最新の装備を選べることや、長く安心して乗れることです。また、メーカー保証が付くため、初めて福祉車両を購入する方にも安心感があります。

一方で中古車は、価格を抑えて購入できるのが大きな魅力です。特にスローパーなどの福祉装備は新車だと価格が高くなりやすいため、中古車を検討する方も多くいます。予算や使用期間、装備の希望などを考えながら、自分に合った選択をすることが大切です。

知って得する「補助金・税金減免制度」の活用術

福祉車両を購入する場合、条件によっては税金の減免制度や補助金を利用できることがあります。

例えば、身体障害者手帳を持っている方などは、次のような制度が対象になる場合があります。

  • 自動車税(種別割)の減免
  • 自動車取得時の税金の減免
  • 地域によっては福祉車両購入補助制度

これらの制度を活用することで、購入時や維持費の負担を軽減できる可能性があります。また、障害者手帳が無くても自治体によっては構造減免制度などを活用できる可能性もあります。

制度の内容は自治体によって異なるため、購入前に自治体や販売店へ相談して確認しておくと安心です。

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