福祉車両の種類ごとの特徴と選び方のポイント

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福祉車両には利用者の身体状況や利用シーンに応じたさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。本記事では、福祉車両の代表的な種類とその特徴についてわかりやすく解説したうえで、実際にどのように福祉車両を選んでいけばよいのかポイントを解説します。さらによくある疑問点についてもお答えしていくので、初めて福祉車両を検討している方にとっても役立つ内容になっています。

本記事は、福祉車両専門店「福祉カー.jp」を運営する株式会社 共立自動車のスタッフが執筆・監修しています。
担当スタッフは福祉車輛取扱士の資格を保有しており、日頃から福祉車両の専門家として、販売・整備・ご相談対応などを行っています。現場での豊富な経験と知識をもとに、正確かつ実用的な情報をお届けします。

福祉車両の専門店 福祉カー.jp / 株式会社 共立自動車

目次

福祉車両の種類とそれぞれの特徴を解説

福祉車両の種類と特徴

福祉車両の代表的な種類とそれぞれの特徴を解説してきます。福祉車両の代表的な種類としては「スロープタイプ」「リフトタイプ」「回転シート・リフトシートタイプ」「送迎車仕様」「運転補助装置装着車」に分けられます。

スロープタイプの福祉車両

スロープタイプの福祉車両

車いすの方が車いすのまま乗降車することができる福祉車両です。電動ウインチが搭載されていれば、介助者の方も少ない力で安全に車いすの方を乗降車することができます。軽四タイプの車両からミニバンタイプの車両まで様々な種類の車両に搭載されてるため、個人の方・施設の方・介護タクシーの方問わず幅広く利用されています。

スロープタイプの福祉車両は車両後方に、スロープを引き出すためのスペースが必要となります。また、平坦な路面で乗降車を行う必要があるため舗装されていない駐車場には向きません。

スロープタイプの主な福祉車両

  • NBOX
  • タント
  • スペーシア
  • ノア/ヴォクシー
  • ステップワゴン
  • セレナ
  • シエンタ
  • フリード
  • エブリイ
  • アトレー
  • ハイゼット
  • NV100
  • NV200

リフトタイプの福祉車両

リフトタイプの福祉車両

車いすの方が車いすのまま乗降車することができる福祉車両です。車いすをリフトに固定して簡単なボタンやリモコン操作でリフトを操作できるので、介助者の方の力に関係なく安心して乗降車することができます。ミニバンタイプやハイエースといった大型バンタイプの車両に多い福祉車両です。

リフトタイプの福祉車両は車両後方にリフトが上昇・下降するためのスペースが必要となります。また、平坦な路面で乗降車を行う必要があるため舗装されていない駐車場には向きません。

リフトタイプの主な福祉車両

  • ハイエース
  • キャラバン
  • セレナ

回転シート・回転リフトシートタイプの福祉車両

サイドリフトシートの福祉車両

助手席や2列目のシートが外側に回転して、乗降車をサポートしてくれる福祉車両です。「回転シート」の場合はシートの回転のみ、「回転リフトシート」の場合はシートが回転してさらに乗降車しやすい高さまでシートが下降します。車のシートに着席できるので長距離の移動に適しています。また、スロープタイプやリフトタイプ、送迎車仕様の福祉車両に合わせて装備されている場合もあります。

回転シートや回転リフトシートタイプの福祉車両は車両左側に、乗降車のためのスペースが必要となります。そのため、車両左側には通常の駐車場よりも広めのスペースが必要です。

回転シート・回転リフトシートタイプの主な福祉車両

  • タント
  • ルークス
  • ワゴンR
  • ノア/ヴォクシー
  • セレナ
  • シエンタ
  • ポルテ
  • ルーミー
  • アルファード/ヴェルファイア
  • アクア

送迎車仕様の福祉車両

送迎車仕様の福祉車両

足腰の弱い方でも車への乗り降りしやすいサイドステップや手すりなどが装備された福祉車両です。施設などでの送迎に利用されることが多い福祉車両です。軽自動車からミニバンタイプ、バンタイプまで乗車人数に合わせて様々な車種でラインナップされています。回転シートや回転リフトシートタイプの福祉車両が送迎車仕様車とされている場合もあります。

送迎車仕様の主な福祉車両

  • タント
  • ルークス
  • ノア/ヴォクシー
  • セレナ
  • ハイエース
  • キャラバン

運転補助装置が装備された福祉車両

手動運転装置搭載の福祉車両

身体に不自由がある方でも自動車を運転できるように改造した福祉車両です。「上半身のみ」や「下半身のみ」、「右足を使わない」などの条件に合わせて運転できるように改造した車両です。既成の車両ではなく、好みの車両を改造して作成する福祉車両が多くなります。

運転補助装置の架装を行っている専門業者も存在します。下記は有名な2社のリンクです。運転される方のお身体の状況に合わせて様々な運転補助装置がラインナップされています。

福祉車両の選び方のポイント

福祉車両の選び方とポイント

福祉車両選びは普通の車とは違い、様々なことを考えて選ぶ必要があります。そのため、福祉車両の選び方として3つのポイントを解説します。

福祉車両の利用者や利用シーンをイメージしてみる

福祉車両の利用風景

まずは福祉車両の利用者やどのような場面・場所で福祉車両を利用するかイメージしてみましょう。スロープタイプやリフトタイプの福祉車両は、車いすの方が乗降車するために車の後方にスペースが必要です。駐車場に余裕がない場合はご自宅前などの付近に乗降車可能な場所があるかなどを確認しましょう。

また、車いすのまま長距離の移動を行うのは、車いすの方の負担が大きくなるためおすすめできません。そのため、長距離の移動が多い方には回転シートや回転リフトシートタイプなどの車のシートに着席できるタイプの福祉車両がおすすめです。

福祉車両に必要な機能・装備を考える

電動ウインチが搭載された福祉車両

福祉車両には福祉車両装置部分だけを見ても様々な機能・装備があります。福祉車両を選ぶ際には、介助される方・介助する方それぞれが必要な機能・装備を明確にしておくことが大切です。

一例を上げると、福祉車両にはスロープの電動ウインチの有無、後席に乗り降りする際の補助となるサイドステップの有無などです。また、お使いの車いすのサイズやタイプ、お身体の状態によって適する福祉車両と適さない・使用できない福祉車両があります。

福祉車両選びの際は、できれば福祉車両の専門店などに実際に使用する予定の車いすを持参して試乗してみることが大切です

今後の状態もイメージしてみる

今後の体の状態を考える

福祉車両を選ぶ際には、介助される方が今後もお身体の状態が今と変わらないのかを担当医の方などに相談しておきましょう。今はコンパクトな車いすを使用していても、今後の状態によっては大型の車いすが必要になる場合があります。数年後をイメージして、福祉車両も大型の車いすに対応した車両を選んでおくほうがいい場合もあります。

福祉車両選びでよくある疑問

福祉車両のよくある疑問

福祉車両を販売させていただく際によくいただく疑問について解説します。

助成金や補助金、減免制度などがわからない

福祉車両の各種補助金申請

福祉車両を購入する際には、助成金や補助金を申請できる場合があります。また、減免制度などにより税制優遇を受けられる場合もあります。このような福祉車両の助成金や補助金、減免制度の有無や条件は市町村によってまちまちです。

お住まいの地域の市役所や市町村のホームページを確認してみましょう。また、福祉車両を専門店で検討される場合には店舗に聞いてみるのもおすすめです。

福祉車両を使ったことがないので使いこなせるか心配

福祉車両を使いこなす

福祉車両は車としての操作は通常の車と同じ操作で使用できるものがほとんどですが、スロープやリフトといった福祉車両としての装備部分、車いすの方へのシートベルトの装着方法などは慣れていない方からすると分からない部分が多くあるかと思います。特に、車いすの固定やシートベルトの装着などは正しく行わなければ非常に危険です

あまり福祉車両の取り扱いに慣れていない店舗で購入してしまうと、店舗スタッフも不慣れなため十分に使い方をレクチャーしてもらえない場合もあります。ディーラーで購入しても多くの店舗では、スタッフが福祉車両を取り扱ったことがないのが現状です。

福祉車両の取り扱い説明会

そのため、福祉車両は専門店で購入して福祉車両の安全な使い方に熟知したスタッフにレクチャーしてもらいましょう。専門店で購入しておけば、スタッフも福祉車両の取り扱いに慣れているので安心です。店舗によっては定期的に福祉車両の取り扱い講習会を行っている場合もあります。

福祉車両の修理やメンテナンスはどうするの?

福祉車両対応の整備工場

福祉車両の修理やメンテナンスは基本的に、通常の車と同様に購入した自動車販売店やディーラーで行いますが、福祉車両の取り扱いがなかったり、取り扱いが少ない店舗では福祉装置部分の修理・メンテナンスを行っていなかったりしてスムーズに作業できない場合があります。

また、修理やメンテナンスで車を預けている間に必要な代車ですが、福祉車両の代車が無い場合もあります。そのため、福祉車両の購入時は福祉装置部分の修理・メンテナンスの可否や福祉車両の代車を借りることができるか確認しておきましょう

どこで購入できるか・購入すればいいのかわからない

福祉車両の専門店

福祉車両は助成金や補助金についての相談ができたり、専門スタッフが常駐しており正しい使い方をいつでも聞くことができる専門店で購入するのがおすすめです。購入自体は、福祉車両の取り扱いがあれば新車ディーラーや一般的な自動車販売店でも行うことができますが、その後の修理やメンテナンスまで考えた場合には専門店での購入がおすすめです。

福祉車両の専門店が近隣にない場合や希望する福祉車両が近隣店舗にない場合、弊社が運営している「福祉カー.jp」にお問い合わせいただければ、メールや電話で購入のアドバイスをさせていただき、全国への納車手配まですることができます。ぜひご活用ください。

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